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創作絵本
とってもすてきなおうちです
高橋和枝 絵 アリス館
私は、おうちがだいすきです。
旅も、おでかけも好きだけど、うちに帰ると、ほっとします。
ごちゃごちゃちらかってたり、あちこち古びて修理しなきゃいけなかったり、いろいろ不満はあるけどね。
うちの猫も、そう思っているらしく、何度か脱走したものの、ちゃんと帰ってきました。
夜には、外の換気扇フードの上で、スズメが寝ています。
冬になると顔なじみのヒヨドリがエサをねだりにくるけど、季節限定のおうちだと思ってるのかな。
庭木に巣をかけてヒナを孵したキジバトにとっても、ここは「おうち」のはず。
定住者のヤモリもアマガエルもいるし、ハンティングスパイダーなんか室内にうろちょろしてるし…。
みんなそれぞれ「じぶんのおうち」だと思っているにちがいない。
そんなこんなが、このお話のはじまりになりました。
なによりの喜びは、高橋和枝さんに絵を描いていただけたことです。
どなたに絵を頼もうかと相談したとき、編集者の山口さんが「きもちのいい風がながれる絵を描いてくれる方」という条件をだしました。
やわらかな光と、そよ風と、静かな賑わい、そして、なつかしさ。
和枝さんの絵によって、たいせつなおうちの絵本が生まれました。
その絵を大切にくるむように服を着せてくれたのは、装丁家の中嶋香織さん。
とってもすてきなチームでした。
制作中のエピソードは、こちらからどうぞ。
① 高橋和枝さんと…
ぷんぷんおばけ
理論社
怒った顔や気分て、うつりますよね。
どんどん感染して、家中みんなが、ぷんぷん怒りだすのは、なぜだろう。
じつはね、ぷんぷんおばけが、あおっているからなんです。
怒った人の頭からでるぷんぷんけむりがごちそうだから。
水彩のマーブリングで作った絵をパソコンにとりこんでフォトショップで加工しました。
のはらひめ
徳間書店
最初の絵本です。
わたしの娘は、5歳になる少し前から「おひめさま病」にかかりました。
なにがなんでもピンクがすき。ひらひらのふりふりに憧れ、ディズニープリンセスに熱いまなざしをそそいで、うっとり、なりきり。
はっきりいって、そういうの似合わない顔立ちなのにね…。
まあ、わたしにも覚えがないわけじゃあない、かな。
幼稚園の七夕飾りをみれば、「おひめさまになりたい」短冊がもっとも増えるお年頃。
ということで、5歳のお誕生日の「ご祝儀絵本」として、彼女の夢をかなえる絵本を作りました。
でも先輩女子として、きっちり意見しておきたいことも含めたつもりです。
韓国語版もでています。
きょうりゅうのたまご
徳間書店
わたしの息子は、2歳のときに重機の魅力にめざめました。
以来、週に二度のゴミ収集の日は、かならず作業員さんに手をふり、どこかで建設機器がうごいていれば、雨でも風でもじっと観察をする日々。
もちろん夜には、はたらく車の図鑑の読み聞かせ。
重機好きの多くが、どうやら恐竜好きに育つように思います。
というわけで息子のお誕生日の「ご祝儀絵本」として作ったのが、はたらく車ときょうりゅうの出てくる、この絵本です。
絵本に出てくる町は、日本のいろんなところにあるであろう、山も海も川もそばにある地方都市。
わたしが子ども時代の数年をすごした仙台をイメージしています。
たこのななちゃん
徳間書店
かなこのおとうさんは、遠い海でさかなをとる漁師さんです。
ひさしぶりに帰ってきたおとうさんがつれてきたのは、足をけがした、たこでした。
かなこは、たこに「ななちゃん」と名前をつけて、いっしょにくらします。
ななちゃんは、7本の足でピアノをじょうずにひくし、ジャングルジムもとくい。おえかきもじょうずです。
とってもたのしい毎日。でも、そのうちにななちゃんは海が恋しくなって…。
竜宮城の浦島太郎の逆バージョンをちょっと意識しました。
いつも、ななちゃんを見守っているヒトデは、きっと乙姫さまのお使いです。
ことりだいすき
偕成社
子どものころ、生き物を飼いたくてたまりませんでした。
…いや、「飼う」というのは、ちょっと違うような気がします。
転勤族の団地暮らしは制約が多く、黒馬や牧羊犬とお友達になるのが不可能な夢だというのは、幼児といえども理解はしていたので、ヒマがあれば団地の側溝をのぞいて、カエルか、せめてボウフラがいないかと探しておりました。
人間ではない生き物と電撃的な出会いをして唯一無二の心のつながりを結ぶ。それにしびれるほどのロマンを感じていたのであります。
したがって、スズメやツバメによって、神聖なる営巣地として選ばれる家が、うらやましくてたまりませんでした。
だけど、そんなふうに虎視眈々と見張っている子どものいる家には、ぜったいに営巣しないんですよね−。
その後わたしは、地面に落ちている巣立ち雛をみかければ、天啓を受けたジャンヌダルクのごとき高揚感をもって「救済」し、献身的にお世話をし、そして死なせました。くりかえし、くりかえし何羽も。…ごめんね、小鳥たち。
鳥獣保護の立場からすれば、単なる誘拐です。
「小鳥のヒナが落ちていても、ひろわないでね。そばに必ず親がいるから」とあるポスターは正しい。
でもね。
声が枯れ、目が腫れるほど泣いた私は、そのたびにステップアップしていき、やがて、小動物レスキューの技能をもつ素人に成長しましたぞ。獣医さんにほめてもらったこともあります。えっへん。
小鳥のヒナをみつけても、しらんぷりしていたら、そうはならなかったと思います。
子どもたちの「自然破壊」はちょっと大目に見てほしいのです。
それが遠回りして、自然を愛し、環境を考える大人たちを育てることではないでしょうか。
あらら。
話がそれちゃいました。
まあそんなわけで、小鳥だいすきな子ども時代を絵本にしました。
環境問題とはまったく関係のない、ほにゃらら〜とした絵本ですよ。(^_^;)
なんにせよ、子どもたちの「だいすき」は、じぶん自身の夢の投影です。
その夢がどっちにむかって育つのかを、おおらかに見守りたいものですね。
韓国版もでています。