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翻訳絵本
ノロウェイの黒牛
さとうゆうすけ 絵 BL出版
スコットランドの昔話です。
しっとりとした雰囲気の、ふしぎな恋の物語。
BL出版の「せかいのむかしばなし」シリーズは、まだあまり知られていない昔話を日本人画家の絵で絵本にする意欲的な企画。
その5冊目になります。
わたしが翻訳依頼をうけたのは2年2ヶ月前。
でも、それより前に編集者と絵描きの間で話し合いが行われていました。
つまりこれは、編集者が、さとうゆうすけさんの絵に惚れて始まった本づくりなのです。
翻訳依頼のメールには、さとうさんがかいた黒牛とむすめの絵が添えられていました。
むかしばなしは、再話者によって、ずいぶん違うものです。
「ノロウェイの黒牛」は、まだ定まっていないところが多いようで、いろんなバリエーションがあります。
さとうゆうすけさんの絵にあう再話をさがすことからはじめましたが、結局のところ、石井桃子さんも訳されたフローラ・アニー・スティールの再話を底本とすることに決定。
そのうえで、絵本のページめくりに合わせて文を切ったり、置き換えたりするなど、変更の自由を確保するために、「訳」ではなく「文」としていただいたのです。
日本語を選んでいくときにも、さとうさんの絵を思いうかべて、ことばをさがしました。
脚本家が俳優を想定してセリフを書く、芝居の「当て書き」のようなかんじですね。
あとはひたすら、絵ができるのを待ったわけですが…。
ああ、やっぱり昔話の絵本化はむずかしい。
頭をかかえてしまうことも何度かありました。
さとうゆうすけさんは、もっと苦しんだことでしょう。
でもそのたびに、ひとつひとつ、新しい地平がひらけていったように思います。
誠実で、丁寧なお仕事ぶりでした。
さとうゆうすけさんの、堂々の絵本デビュー作です。
制作途中の記事は、こちらからどうぞ。
http://chihiro-nn.jugem.jp/?eid=39
http://chihiro-nn.jugem.jp/?eid=62
http://chihiro-nn.jugem.jp/?eid=65
http://chihiro-nn.jugem.jp/?eid=68
編集は、14年前に『あめあめ ふれふれ もっとふれ』(のら書店)で初々しく担当をしてくれた 鈴木加奈子さん。編集力のさらなる向上と成熟ぶりが、嬉しくてたまらない…(^o^)
装丁は、表紙回りの美しさはあたりまえとして、本文レイアウトで底力に瞠目の 中嶋香織さん。