わたしの本のこと

創作童話

すてきなひとりぼっち

すてきなひとりぼっち

のら書店

 

休み時間。

一平くんがノートに絵をかいていると、みんなが寄ってきました。

ちょっといい気分。

でも、はりきって描いていたら、いつのまにか、だれもいないのです。

 

一平くんは、淡々とつぶやきます。

「ぼくは、こういう ひとりぼっちには なれている」

 

下校時。

雨のせいもあって、ちょっとみじめな一平くん。

でも、雄々しく呟きます。

「ぼくは、こういう ひとりぼっちにも なれている」

 

そんな一平くんを、さらなる悲劇(?)が襲います。

だけど、わるいことばかりでもありませんよ。

さいごには、なかなか素敵な宝物をみつけるのですから。

 

 

家族や友達といっしょの時間は楽しいけれど、人は、ひとりでいるときにこそ、いろんなことに気づき、考え、深いところで力を蓄えているのではないでしょうか。

うん、ひとりぼっち時間は大切だよね。

 

それに、ほんとは誰だってひとりぼっちなのだと気づくと、ほかの人々がいっそう愛おしくなります。

見返しにちりばめた登場人物たちの「すてきなひとりぼっち時間」にも、どうぞご注目を。

 

 

編集は、佐藤友紀子さん。

最初に「こんなお話を」と提案された内容からかなり違う方向に迷走しましたが、その都度、新鮮に驚いたり喜んだりしてくれたおかげで、ようやく結実しました。贅沢に見守られていた気分です。

 

装幀は、森枝雄司さん。

テーマカラーが青だから森枝さんと決めていましたが、Macとphotoshopの師匠としても、とことんお世話になりました。 

しかも途中でぎっくり腰になった私にワークチェアの紹介までしてくれて、もうほとんどホームオフィスアドバイザー。。。(お金払ってないけど)

 

制作過程のお話は、こちらからどうぞ。

① わたあめ製造機

② 2174と2062、でいきます

③ まるで手術台

④ デジタルお絵かき、あるいは彫り師

⑤ デジタルお絵かき、いまは摺り師です

⑥ テスト校で新年

⑦ 描き文字のヨレヨレ味

⑧ 修正はつづくよ、いつまでも…

⑨ 調理されたヨレヨレ味文字

⑩ 箔がつきましたぜ、ふっ