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翻訳絵本
マザーテレサ
マリア・イサベル・サンチェス・ベガラ 文 ナターシャ・ローゼンバーグ 絵 ほるぷ出版
むかし、こまっている人や 動物を みかけると、
かならず たすけてあげる やさしい女の子が いました。
まるでおとぎ話のように、幼い子どもが親しみをもてる主人公のお話として始まります。
ノーベル平和賞を受賞した聖女マザーテレサも、はじめは小さな女の子だったのですから。
「子どもがはじめて出会う伝記絵本」として欧米で刊行されている Little People BIG DREAMS (小さなひとりの大きなゆめ)シリーズ。
日本では、ほるぷ出版から刊行される一作目です。
バルセロナ出身の著者 マリアさんは、幼い姪たちに、みずから道を拓いて夢をかたちにした女性たちのことを伝えようと本をさがし、愕然としたそうです。
女性を扱った本が、ほとんどないじゃないか……と。
なければ作ろう精神で始まったのが、このシリーズ。
幼い子どもが理解できる平易な文章にしよう。
絵はいろんなイラストレーターに頼んで、楽しくカラフルにしよう。
これまでの「偉人伝」でとりあげられなかった素敵な女性たちの物語を沢山しよう。
ところが、シリーズの評判があがるにつれて、こんどは逆に「どうして男の人の話がないの?」と悲しむ読者の声が届くようになりました。
そこで、ふむ、あえて男性を排除するのも変よね…となったとか。
ちょっとおもしろいですよね。
翻訳者としては、偉大で複雑な人物の生涯を、ミニマリズム的文章でまとめなくてはならないことに苦吟しきりでした。
本文は小学校低学年を想定したやさしい言葉の物語ですが、巻末には中高学年以上を想定して、ちょっと詳しい解説をつけています。
こちらは日本人の翻訳者たちが、各自がんばって執筆しているんですよ。
とても評判のよいシリーズで、欧米ではすでに40冊以上が出版され、現在も続刊中。
日本では、おもに学校図書館に配本されるそうですが、いっぱい出せるといいなあ…。
編集は、ほそえさちよさん。
いつも世界の「今」に目をむけている闘士&同志なので、打ち合わせがたのしいです。
装丁は、森枝雄司さん。
シリーズ全作担当。表紙の背にある黒い布目模様をどこまで目立たせるべきかなど、繊細かつ遊び心のある仕事をしてくれます。
メイキング話は、こちらからどうぞ。
私がマザーテレサと会ったときのことも書いています。
① http://chihiro-nn.jugem.jp/?eid=106
② http://chihiro-nn.jugem.jp/?eid=122