わたしの本のこと

翻訳絵本

いっしょにおいでよ

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ホリー・M・マギー 文  パスカル・ルメートル 絵  廣済堂あかつき

 

テレビのニュースをみて、こわくなってしまった女の子。

テロやヘイトスピーチなどの映像を見てしまったようです。

こわばった表情で、おとうさんにたずねます。

「こんなのって いやだ。どうしたらいいの?」と。

 

幼い子どもにそうたずねられたら、大人はなんて答えればよいのでしょう。

「子どもは心配しなくていいよ」と言ってしまいそう…。

でも、それでほんとうに不安は消えるでしょうか。

 

たとえ、どんなにささやかでも、じぶんにできることをする。

そして、同じ思いのだれかと手をつなぐ。

そのほうが不安は和らぐはず。いろんなことが、きっと良い方向へまわりはじめるはず。

 

南米には、一羽のハチドリが小さなくちばしに水滴をふくんで山火事をけそうとした昔話があるそうです。

むだなことをと笑われたハチドリは「わたしにできることをしているだけ」と答えたとか。

近年、環境問題を考える人びとのあいだで「ハチドリのひとしずく」はよく語られるようになりました。

 

絵をかいたパスカルは、「この本はぼくにとって、ハチドリのひとしずくだ」と言っています。

わたしにとっても、小さな小さな、けれどたいせつなひとしずくです。

だれかに届きますように。

 

この本の制作過程については、「ときたま日記」をごらんください。

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