わたしの本のこと

アリスン・マギーの絵本

きみがいま

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アリスン・マギー 文  ピーター・レイノルズ 絵  主婦の友社

 

  きみが いま むちゅうなのは

  きいろい カップ

  おはようの うた

  きらきら まぶしい あさの ひかり

  にじいろに かがやく むしの はね

  そして

  おおきな ダンボールばこ

 

原題は "Little Boy"。

小さな男の子が夢中になって遊び、見つめ、追いかける物事がつぎつぎに挙げられていきます。

みずたまり。さらさらこぼれる砂。サッカーボール。絆創膏。濡れた犬のにおい…。

ほんとほんと、と笑って頷き、あるいは、そういえばそんなこともあったっけと遠い日を鮮やかに思い出したあたりに…

 

  さきのことなんて しんぱいしない

  あしたのために いそぐことも しない

  だから

  おおきな ダンボールばこに むちゅうに なれる

 

…とあって、どきん、とします。

くりかえし語られる「おおきなダンボールばこ」は、もちろん、そのままで良いのですが、もっと大きなものの比喩でもあるのでしょうね。

幼い子への愛おしさもさりながら、ふっと時が止まり、じぶんの現在をみつめてしまいます。

 

アリスンの言葉をのびのびとひろげるピーター・レイノルズの絵がほほえましい。

ピーターの絵って、彼が文章も書いているときと、ほかの人の文章のときでは感触がちがうのよね。(^o^)

 

 

そしてこの本も、2019年春にコープロではなく、国内印刷として復刊されました。

まちがい探しのようですが、右が原書、中央が2010年コープロ版、左が今回の新版です。

帯の言葉がすてき。

 

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写真では微妙な色や紙質が伝わりませんが、見返しの黄色と袖の若草緑のバランスも、ひとりのデザイナーが最初から最後まで気を配ればこれだけ違うということがよくわかります。

こういう なんてことなさそうな配慮が、本の「香り」として読む人の心をそっと包むのです。

 

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編集は 浜本律子さん。復刊担当編集は 白田久美さん。

装丁は どちらも、水崎真奈美さん。 

 

復刊の舞台裏は、こちらからどうぞ。

http://chihiro-nn.jugem.jp/?eid=74