わたしの本のこと

ドン・フリーマンの絵本

ダッシュだ、フラッシュ!

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ドン・フリーマン 作絵  BL出版

 

ダックスフントの夫婦のおはなしです。

フラッシュは なまけもの。まいにち、ひるねばかり。

はたらくのは おくさんの シャッセばっかり。もう限界!

「きょうは あなたが しごとに いって たべものを さがしてきてちょうだい」

 

お尻をたたかれ、しぶしぶ出かけたフラッシュは、あろうことか 電報屋さんに就職します。

「あしの はやいかた」という条件なのにねえ。

でも だいじょうぶ。

足のみじかいフラッシュは、混み合う街の人々の足もとをくぐりぬけて ミッションコンプリート! やればできる!

ほめられて 労働の喜びにめざめたフラッシュ。こんどは一転、ワーカホリックになってしまって、ろくに家に帰りもしません。

あきれ顔の 妻シャッセ。

そのうちに、ほらみたことか、燃え尽き症候群…。

けれども、さいごは ほんわかとしたハッピーエンドにまとまります。めでたし めでたし。

 

家庭生活アルアルの夫と妻の物語ですが、こんなふうに 子どもも含めてみんなで楽しめる絵本にしてしまうあたりが  ドン・フリーマンの力、あるいは古き良きアメリカの包容力なのかなと、今となっては博物館ピースとなった「電報」という媒体とともに、遠いまなざしで眺めてしまいます。