わたしの本のこと

ジョン・クラッセンの絵本

アナベルとふしぎなけいと

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マック・バーネット 文  ジョン・クラッセン 絵  あすなろ書房

 

 どっちを むいても しろい ゆき。

 そして えんとつから でる、くろい すす。

 

そんなモノトーンの世界で、アナベルは箱をひろいます。

なかに入っていたのは、色とりどりのきれいな毛糸。

アナベルはセーターを編みます。

カラフルで、あたたかそうなセーターを。

まだ毛糸がのこっていたので、犬のマースにもセーターを編んであげました。

うらやましくて、いじわるをした男の子にも。

めだちすぎだと叱った先生にも。

家族にも、町の人たちにも、動物たちにも、ボストにも、木にも、家々にも…。

編んでも編んでも毛糸はなくなることがなく、町の景色がかわっていきます。

すると海のむこうから、おしゃれで欲張りな王子が箱を奪いにやってくるのです。

 

でも、ご心配なく。

だって、色あざやかなくらしを、ひと針ずつちくちくと手もとから編みだすことのできる人が、ずっと幸せなのは、あたりまえですもん。

 

すみからすみまで、おしゃれな絵本です。

装丁家の城所潤さんが、ちくちくと手間をかけて、表紙のタイトルもセーター模様にしてくれました。