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創作童話
カッパのぬけがら
理論社
夏の川で、ゲンタはカッパの網にかかってしまいます。
川の奥の世界までつれていかれると、ふんぞりかえっていばっているカッパが1匹。
おそろしいのか、ひょうきんなのか、いじわるなのか、やさしいのか、よくわからないカッパです。
仲間が次々にいなくなって、今は一人きりだとしょげているので、ゲンタはしばらくカッパといっしょにくらすことにしました。
カッパのくらしは、けっこう楽しい。
このまま、ずっとカッパでいようかな、と思ったりもするのですが…。
わたしの家の近所に用水路があります。
土手には「泳ぐな、キケン!」とかいた立て札があり、おっかない顔のカッパの絵がかいてありました。
こんな小さな川にカッパなんているのかなあ。
いてもせいぜい、生き残りの1匹だけだろうなと思ったのが、お話のきっかけです。
そしてもうひとつ。
ちょうどこのころ、わたしはカエルも脱皮をすることをしりました。
カエルが脱皮をするなら、カッパだってするよねえ。 (科学的根拠はありませんけど)。
「天使のかいかた」や「ぼくにはしっぽがあったらしい」とおなじく、絵本と読み物の中間ともいうべき本です。
水の絵は、マーブリングといって、墨流しの技法でつくりました。
水底の光など、グラデーションや、ぼかしの部分は「ブラシ屋さん」と呼ばれる職人さんにお願いをしたものです。
その後じきにブラシ屋さんは廃業なさったとか…。
コンピューター技術の進化と関係があるのでしょうね。今ではわたしもフォトショップで加工をしますから。
でもやっぱり、なんか一味ちがうんですよね、ブラシ屋さんの手仕事は。
初版が2000年の本ですが、なんだか大昔のことのよう。
カッパちゃん、どうしているかなあ。