わたしの本のこと
- 創作絵本(6)
- 創作童話(16)
- 翻訳絵本(38)
- 翻訳児童文学(5)
- たった一冊のノンフィクション(1)
- おたすけこびとシリーズ(7)
- プリンちゃんシリーズ(6)
- エロール・ル・カインの絵本(5)
- おばけのジョージーシリーズ(5)
- デイヴィッド・ルーカスの絵本(5)
- ピーター・レイノルズの絵本(7)
- きょうりゅうたちシリーズ(8)
- 美術の絵本(6)
- フランソワーズの絵本(4)
- クリスチャン・ロビンソンの絵本(3)
- デビッド・マッキーの絵本(3)
- バレリー・ゴルバチョフの絵本(2)
- バイロン・バートンの絵本(4)
- ジョン・クラッセンの絵本(3)
- ドン・フリーマンの絵本(4)
- アリスン・マギーの絵本(4)
- 荻原規子の挿絵担当(2)
翻訳絵本
ソーニャのめんどり
フィービー・ウォール 作絵 くもん出版
ふわふわのひよこを三羽わたして、おとうさんがソーニャにいいました。
「ひとりで せわを してみるかい?」
ソーニャがよく世話をしたので、ひよこはすくすく育ち、卵をうんでくれるようになりました。
ところがあるばん、一羽がきつねに襲われてしまいます。
かなしみと怒りで混乱するソーニャをしっかりうけとめて、おとうさんは静かに話しはじめます。
もしかしたら、きつねにも、おなかをへらした子ぎつねたちがいるのかもしれないよ、と。
おとうさんが ソーニャを かわいがるように、
ソーニャは ひよこたちを かわいがっていた。
きつねも おんなじなんだよ。だから いのちを かけて まもるんだ。
ソーニャなら、きつねの きもちも わかるんじゃないかな。
若いアメリカ人作家の、1作目となる絵本です。
こっくりとした色彩。パッチワークのような手芸的で素朴な画風。
とりあえず「小動物の世話をとおして命の尊さを学ぶ本」であることにまちがいありませんが、作者の目線は、そのはるか向こうに投げられています。
ソーニャのおとうさんとおかあさんの肌の色は違います。
近年、とみに排他的なうごきのある世界のなかで、どこの国のどの世代の人びとにも、安直にじぶんの正義をふりかざすのではなく、ふみとどまって考えてほしいという強いメッセージを、わたしは受けとりました。