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ピーター・レイノルズの絵本
っぽい
ピーター・レイノルズ 作絵 主婦の友社
ラモンはとてもたのしく絵を描いていたのに、おにいちゃんに「ちっとも似てないじゃん」と笑われて傷つき、ぷっつりと絵を描かなくなってしまいます。
そのラモンの心をすうっと広げてくれたのが、妹マリソルの「わたし、すきだよ。○○っぽい絵だもん」という言葉。
そうか、それでもいいのか…と、ラモンは自由になります。
表現するって、どんなことなのでしょうね?
そっくりに再現することではないはず。
ラモンの気づきは、絵にとどまらず、生き方まで広がっていきます。
そういえば、ラモンくんには、ピーター・レイノルズのべつな絵本のなかで前に会ったような…。
「てん」(谷川俊太郎訳 あすなろ書房)のラストにでてきた小さな男の子の成長した姿だろうと、私は思っています。どうですか?
現代は " ish "。
○○らしい、○○みたい、○○くらい…などの意味で、別の単語にくっつける小さなコトバです。
たとえば、30-ish といえば、30歳くらいのという意味。
曖昧にごまかす表現なので、あんまり格が高くないけれど便利なコトバ。
日本語にするなら「っぽい」だなと、私は早い段階で決意しておりました。
読みにくい、意味がまったくわからない、ゴミ捨ての本だと誤解されそう、などなどの至極真っ当な反対を押し切らせていただきました。(^o^)
装丁家、水﨑真奈美さんの描き文字がかっこいい。