わたしの本のこと

創作童話

ちょっとだけ ともだち

ちょっとだけ ともだち

のら書店

 

「すてきなひとりぼっち」「ぼくは ういてる。」に続く、一平くんシリーズ3冊目です。

 妹のみどりが保育園にいくことになりました。

おかあさんは、友だち百人できるかなという有名なあの歌で、みどりを励まします。

 

一平くんは憮然と呟きます。

「そんなの、むりにきまってる」

 

だって一平くんの友だちは、山田ほのかさんだけなのです。

いや、まてよ、ほのかさんだって、友だちとはいえないかもしれない…。

 

みどりは保育園でどんどん「オトモラチ」をつくってくるし、おかあさんも、おばあちゃんも、おとうさんも(それなりに)、友だちがたくさんいるみたい。

でも、おじいちゃんには、友だちがいない! それは、たしかだ。

ぼくもきっと、おじいちゃんみたいになるのだろう。

 

ところがなんと、おじいちゃんには驚きの過去があったのです…!

 

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わたしが本の帯の後ろに書いた言葉は……

 

 心に ぴたっとはまった、パズルのピースのような ともだち。

 それは わたしの 小さな一部でしかなかったけれど、

 そのひとにとって わたしも そうだったろうけれど、

 かけがえのない ひとときは 遠い星のように またたいています。

 

編集は、佐藤友紀子さん。

いつしか、わたしたちの心のなかで一平くんが確固たる存在になり、それぞれがみつけた「リアル一平くん」を報告しあうのが打合せの楽しみのひとつです。

素敵な大人になった一平くんも、けっこう、あちこちにいるんですよ。

 

装幀は、森枝雄司さん。

使える色が決まっているので、シリーズ3冊目ともなるとデザインも難しいのかなと思いましたが、なんてことなく綺麗にしあげてくださり、一平くんへの深い愛を感じます。

(じつをいうと、森枝さんも「すてきな大人なった一平くん」に該当するかな…と、ご本人にはナイショで考えております。ヒソヒソ)

 

制作過程の裏話は、ひとつだけですが、こちらからお読みください。

https://chihiro-nn.jugem.jp/?eid=186