わたしの本のこと

バレリー・ゴルバチョフの絵本

すてきなあまやどり

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バレリー・ゴルバチョフ 作絵  徳間書店

 

ヤギくんのところへ、ブタくんが、ずぶぬれになってやってきます。

さっきのにわか雨に、ふられたようです。

「木の下で、あまやどりをすればよかったのに」

ヤギくんは、乾いたタオルを貸してやりながら言いました。

 

ところが、ブタくんはこたえます。

「したよ」

「それなら なんで ぬれたのさ?」

「ちっちゃな ネズミが1匹、あまやどり させてって、ぼくの木の下に はいってきたの」

「そりゃ おかしいよ。ちっちゃなネズミとなら あまやどり できただろう」

「うん。でも そこへ ハリネズミが 2匹、とびこんできたんだ」

それからもバッファローが3匹、ヒョウが4匹、ライオンが5匹、ゴリラが6匹……。

ヤギくんは、うなずきます。

「なあるほど! だから きみは おしだされて、あめに ぬれちゃった というわけか!」

 

ううん、ちがうのです。

あのね、ブタくんがびしょぬれになったわけはね……。

とっても痛快、爽快。きっとどなたも笑ってしまうはず。

 

たくさんの動物たちが出てくる十までの数字の本であるとともに、ヤギくんとブタくんの漫才のような会話が愉快です。

そしてなによりも素敵なのは、ブタくんの子ども心。

初夏の噴水のように、きらきらしていて、読み聞かせにおすすめの一冊です。