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クリスチャン・ロビンソンの絵本
ことりのおそうしき
マーガレット・ワイズ・ブラウン 文 クリスチャン・ロビンソン 絵 あすなろ書房
原題は "The Dead Bird"。
アメリカ黄金期の絵本を数多く手がけたマーガレット・ワイズ・ブラウンが1938年に書いた文章に、近ごろ大人気の若い画家クリスチャン・ロビンソンの絵が新たな命を吹きこみました。
マーガレット・ワイズ・ブラウンの文章は詩です。
読者の五感に、かるくぽんぽんとさわっていく魔法の杖のような言葉だと、わたしは感じます。
そのとたん、目にうつるもの、かすかな音、におい、味、肌触りなどがまざまざとよみがえり、世界に初々しく対していた頃のきもちに近づくのです。
わたしも、何度も、小鳥の亡きがらを手のひらにのせた子どもでした。
手のひらからしたたり落ちていく命をみつめ、かなしみ、お墓をつくると高揚し、安堵し、そしていつしか忘れていきました。
すこやかな子どもたちを静かにみつめる作者と画家の目が、とてもすきです。
かつてレミー・シャーリップの絵による本が、与田準一さんの翻訳で岩波書店から出版されていましたが、現在は入手困難なようです。
クリスチャン・ロビンソン版のこの本も、永遠に変わらないであろう子ども心を掬いとった作品として読みつがれていってほしいものです。