わたしの本のこと

翻訳児童文学

魔女のこねこゴブリーノ

アーシュラ・ウィリアムズ 作 平出 衛 絵  福音館書店

 

うつくしい月夜。

森の奥のほらあなから、2ひきの子ねこがとびだしてきました。

魔女のこねこゴブリーノと、妹のスーチカです。

2ひきとも魔女ねこ、つまり魔女の相棒になるべく生まれた、選ばれし黒ねこたち。

ところがなんと、月明かりでみれば、ゴブリーノの前足が白い! 緑であるべき目も青い!

魔女ねことしては、規格外です。

しかもゴブリーノの夢は、人間にかわいがられて、炉端でぬくぬくくらす「台所ねこ」になることですって…。

魔女ねことしては、とんでもない劣等生です。

かわいそうに、つまはじきにされたゴブリーノは、人間たちと暮らそうと旅にでます。

 

けれども、ゴブリーノには魔女ねこの部分もあるので、人間達にこわがられ、きらわれてしまうのです。

すてきな農家。みなしごたちの家。町長さんの家。キャットショーにでたり、宮殿のお姫さまと友だちになったり、船乗りの猫になったり…。ゴブリーノは、かわいがってくれる人をもとめて、はてしなく放浪の旅をつづけます。

 

250ページ。物語初級から中級者にとっては長めの本ですが、漢字は総ルビで、かわいい子ねこの挿絵がたくさん入っています。

ひとつの章が短いので、読みやすいはず。

かわいくて、かわいそうなゴブリーノがいったいどうなっちゃうのかと気になって読み進めていくと、ほおっと、安堵の溜息がもれるハッピーエンドがまっています。

古典的な香りがただよう、読み応えのある物語です。

 

わすれずに、表紙カバーをはずしてみてくださいね。

ロシアンブルーのような灰色の表紙に、虹色にかがやく子ねこたち。

鷹嘴麻衣子さんによる心にくいデザインは、宝物にふさわしいですよ。

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